Tableau:動的ゾーン表示を使用してグラフの表示切替をしてみた
はじめに
データアナリティクス事業本部 BIチームのkariyaです。
Tableauの動的ゾーン表示の機能を用いて、ダッシュボードに表示するシートの切り替えをしてみました。
機能紹介
Tableau ヘルプ:Dynamic Zone Visibility の使用
Dynamic Zone Visibility を使用すると、フィールドやパラメーターの値に基づいてゾーン (ダッシュボードのタイル エレメントまたは浮動エレメント) を隠したり、見せたりできます。ダッシュボードの操作に伴って、ダッシュボード上のゾーンが表示または非表示になります。
「パラメーターの値に基づいてゾーンを隠したり見せたりできる」がどういうことか、実際にやってみます。
やってみる
3種類のグラフ作成
サンプルスーパーストアのデータを用いて、粒度が異なる下記3種類のグラフを別シートに作成します。
- 日本全国の売上を地域別に色分け
-
関東地方の売上を都道府県別に色分け
-
東京都の売上を市区町村別に色分け
表示切替用のパラメーター、計算フィールドの作成
データペインからパラメーターの作成を選択し、表示範囲というパラメーターを作成します。
続けて、表示範囲のパラメーターで選択した値と、表示するシートを結びつけるための計算フィールドを作成します。
関東地方、東京都を選択した時に使用する計算フィールドも作成します。
それではダッシュボードにこれらを配置していきます。
ダッシュボードに配置
新規ダッシュボードを作成し、今まで作成した3つのシートを配置します。
日本全国、関東地方、東京都のシートは、同じコンテナに配置します。
凡例についても、3つの凡例が同じコンテナになるように配置します。
分析 > パラメーター > 表示範囲 を選択し、先ほど作成したパラメーターを配置します。
動的ゾーン表示の設定
ここからが動的表示ゾーンの設定です。
日本全国のグラフをクリックし、レイアウトタブの「値を使用して表示状態を制御する」を選択し、値を「日本全国」にします。
この時点では、表示範囲は「日本全国」となっているため何も画面は変化しません。
次に、関東地方のグラフも同様に設定をします。設定直前は関東地方のグラフが表示されていますが・・・
設定すると関東地方のグラフが消えてしまいました。これは、右上の表示範囲で「日本全国」が選択されているため、「関東地方」が選択されている時に表示するグラフは表示されなくなったためです。これが動的ゾーン表示です。
東京都のグラフについても、動的ゾーン表示を設定すると「東京都」が選択されている時に表示するグラフとなるため、表示範囲が「日本全国」の時には表示が消えてしまいます。
凡例についても同様に設定していきます。日本全国は設定しても表示が変わりません。
関東地方と東京都は、設定すると表示が消えました。
以上で設定は完了です。
表示切替をしてみる
表示範囲を関東地方にしてみましょう。関東地方のグラフと、関東地方の色分けに使用している都道府県の凡例のみが表示されました。
表示範囲を東京都にすると、東京都のグラフと、市区町村の凡例のみが表示されました。
表示範囲のパラメーターにより日本全国・関東地方・東京都のグラフ表示を切り替えることができました。
おわりに
今回は見た目が類似したグラフのフィルタや凡例を切り替える用途で動的ゾーン表示を使用していますが、動的ゾーン表示は異なるシートを表示しているため、データソースやグラフの種類が異なるシートの表示など、様々な用途に使えそうです。
一方で、異なるシートを表示しているだけで各シートに関連がある訳ではないので、今回のようによく似たレイアウトのシート切り替えに使用する場合は、一部のシートに修正を入れた時に他のシートへの反映漏れが起きるリスクもあると感じました。
今後どのようにダッシュボードを修正・運用していくかを考慮し、適切な使用をしていきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。少しでもダッシュボード作成のヒントになれば嬉しいです。